矯正治療が必要なケース
1. 不正咬合(ふせいこうごう)
不正咬合とは、歯の咬み合わせが不適切である状態を指します。以下のような不正咬合が見られる場合、矯正治療が必要です:
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上顎前突(じょうがくぜんとつ):
上の前歯が下の前歯よりも前に出ている状態。見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪くなるため、口を閉じにくくなることがあります。
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下顎前突(かがくぜんとつ):
下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態。咀嚼機能や発音に影響を与える可能性があります。
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交叉咬合(こうさこうごう):
上の歯と下の歯が正常に噛み合っていない状態。例えば、上の歯が下の歯の内側に入り込んでしまうことがあります。
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過蓋咬合(かがいこうごう):
上の前歯が下の前歯を完全に覆いかぶさっている状態。これにより、歯や顎の関節に負担がかかることがあります。
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開咬(かいこう):
上下の歯が噛み合わず、隙間ができてしまう状態。発音や食事に支障をきたすことがあります。
2. 歯の位置の異常
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歯の過剰または不足:
永久歯が乳歯の後に正しく生えない場合や、永久歯の数が足りない場合。これにより、歯の並びに問題が生じることがあります。
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歯の転位:
歯が正常な位置に生えてこない状態。例えば、歯が斜めに生えてきたり、予定された場所に生えてこないことがあります。
3. 顎の成長の不均衡
顎の骨の成長に不均衡がある場合も矯正治療が必要です。顎の成長が正常でない場合、歯が適切に配置されず、咬み合わせに問題が生じることがあります。
1. 矯正装置の種類
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ブラケットとワイヤー:
最も一般的な矯正装置で、歯に取り付けたブラケットとワイヤーで歯を少しずつ移動させます。透明なブラケットやワイヤーもあり、目立ちにくい選択肢もあります。
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クリアアライナー:
透明なプラスチック製のマウスピースで、歯を徐々に移動させます。目立ちにくく、取り外し可能なため、食事や歯磨きがしやすいです。
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リンガルブラケット:
歯の内側に取り付ける装置で、外からは見えません。ただし、舌に当たることがあり、発音に影響を与えることがあります。
2. 治療のプロセス
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診断と治療計画:
初診時に歯科医が診断し、治療計画を立てます。必要に応じてX線撮影や歯型取りが行われます。
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装置の装着:
計画に基づいて矯正装置を取り付けます。装置の種類によって装着方法が異なります。
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調整と経過観察:
定期的に歯科医院を訪れ、装置の調整や経過観察が行われます。治療の進行に応じて調整が必要です。
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治療後の保定:
矯正治療が終了した後、歯を正しい位置に保つための保定装置(リテーナー)を使用します。
3. 矯正治療の効果
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見た目の改善:
歯並びや咬み合わせを改善することで、笑顔や顔全体のバランスが整います。これにより、自信を持ちやすくなります。
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咀嚼機能の向上:
正しい咬み合わせによって、食べ物を効率よく咀嚼できるようになります。これにより、消化が改善され、栄養摂取がスムーズになります。
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発音の改善:
歯並びや咬み合わせの問題が解消されることで、発音が改善され、コミュニケーションがスムーズになります。
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歯と顎の健康維持:
歯並びや咬み合わせが正常になることで、歯や顎の関節への負担が減り、将来的な歯科治療の必要性が低くなります。
小児矯正治療のタイミングとポイント
1. 治療開始のタイミング
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成長期の治療:
成長期における矯正治療(第一期治療)は、顎の骨の成長を利用して歯並びや咬み合わせを改善する方法です。この時期に治療を開始することで、将来の治療が容易になる場合があります。
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永久歯の生え揃い後の治療:
永久歯がほぼ生え揃った後に矯正治療を開始することもあります。この場合、より正確な治療計画を立てることができます。
2. 治療の選択肢とメリット
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早期治療のメリット:
早期に治療を開始することで、顎の成長をコントロールし、将来的な治療の複雑さを減らすことができます。また、歯並びの問題を早期に解決することで、子供の自信を高めることができます。
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成長期を見越した治療:
顎の成長を見越して治療を行うことで、自然な歯の位置調整が可能になり、治療期間を短縮できる場合があります。
歯科矯正治療の心理的側面
1. 治療に対する不安
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不安の軽減:
矯正治療に対する不安を軽減するために、歯科医は治療の過程や目的を丁寧に説明し、子供や保護者の疑問に答えることが重要です。また、治療の目標や進捗を共有することで、安心感を提供します。
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サポートの提供:
治療中に困ったことがあれば、歯科医やスタッフがサポートを提供します。例えば、痛みや違和感があれば、適切な対処方法をアドバイスします。
2. ポジティブな体験の提供
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ご褒美や励まし:
治療の進捗に応じて小さなご褒美を用意することで、治療をポジティブに捉えることができます。また、治療中の努力を褒めることで、モチベーションを高めることができます。
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楽しい体験の提供:
矯正治療を受ける際に、治療が楽しい体験になるように工夫することも大切です。例えば、歯科医院の雰囲気を親しみやすくすることで、治療に対する抵抗感を減らすことができます。
まとめ
小児歯科における矯正治療は、お子様の歯並びや咬み合わせを改善し、口腔の機能性と見た目を向上させるために非常に重要です。矯正治療が必要なケースやその効果について理解し、適切なタイミングで治療を開始することが、お子様の健やかな成長をサポートするための鍵となります。専門的な歯科医による診断と治療計画を基に、最適な矯正治療を行うことで、健康で美しい歯を長く維持することができます。
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監修 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広
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