顎がはずれたらどうする?顎関節脱臼の正しい対処法・応急処置・治療を歯学博士が解説
こんにちは、名古屋市天白区の歯医者・歯科・口腔外科・顎関節脱臼のイナグマ歯科です。
院長:岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊 尚広
突然、
「口を閉じようとしても閉じない」
「顎が前に出たまま戻らない」
「話そうとすると違和感や不安を感じる」
このような症状に襲われると、多くの方は強い恐怖や混乱を覚えます。
顎が外れたような感覚があるものの、
「しばらくすれば自然に戻るのではないか」
「痛みがそこまで強くないから様子を見てもいいのでは」
と自己判断してしまうケースも少なくありません。
しかし、その状態は**顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)**と呼ばれる医学的な異常であり、適切な対処を行わなければ症状が長引いたり、何度も繰り返す原因になる可能性があります。
顎関節脱臼は、転倒や事故といった大きな外傷だけでなく、
・あくび
・食事中の大きな開口
・歯科治療中
といった日常のごくありふれた動作でも突然起こることがあります。
そのため、年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうるトラブルです。
また、「顎が外れた」という症状は、
✔ どの診療科を受診すればいいのか
✔ 自分で戻してもいいのか
✔ 夜間や休日はどうすればいいのか
など、判断に迷いやすい点が非常に多いのが特徴です。
間違った対処をしてしまうと、
顎関節や周囲の靭帯・筋肉を傷つけ、習慣性顎関節脱臼や顎関節症の悪化につながること risk もあります。
本記事では、
名古屋市天白区 イナグマ歯科にて顎関節治療・口腔外科診療を行う
岡山大学 歯学博士・厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医の立場から、
-
顎がはずれた状態とは何か
-
顎関節脱臼の具体的な症状
-
起こる原因と放置した場合のリスク
-
顎がはずれたときに絶対にやってはいけない行動
-
正しい応急処置と受診の目安
-
再発を防ぐための専門的治療と予防法
について、医学的根拠に基づき、できる限りわかりやすく、かつ専門的に詳しく解説していきます。
「今まさに顎が外れて困っている方」
「以前顎が外れたことがあり、再発が不安な方」
「顎関節症や顎の違和感を感じている方」
すべての方にとって、正しい判断と行動の指針となる内容を目指しています。
ぜひ最後までお読みいただき、顎の健康を守るための参考にしてください。
目次
1. 顎がはずれた状態とは?【顎関節脱臼】
2. 顎がはずれたときの正しい対処法【応急処置】
-
2-1. まずやってはいけないNG行動
-
2-2. 自分で戻してもいい?危険性と注意点
-
2-3. 痛みを和らげる応急処置のポイント
3. 顎がはずれたときは何科を受診すべき?
-
3-1. 歯科・口腔外科・整形外科の違い
-
3-2. 夜間・休日に顎が外れた場合の対応
-
3-3. 病院に行くまでの過ごし方
4. 顎がはずれる原因とは?
5. 顎関節脱臼の治療方法
-
5-1. 徒手整復(顎を戻す治療)とは
-
5-2. 痛みはある?麻酔は必要?
-
5-3. 再発を防ぐための治療と経過観察
6. 顎がはずれた後の注意点と再発予防
-
6-1. 治った直後に気をつけること
-
6-2. 食事・会話・あくびの注意点
-
6-3. マウスピースやリハビリの役割
7. よくある質問(FAQ)
-
Q. 顎がはずれたら自然に戻ることはある?
-
Q. 痛みがなくても受診した方がいい?
-
Q. 何度も顎が外れる場合はどうすればいい?
8. まとめ|顎がはずれたときに最も大切なこと
1. 顎がはずれた状態とは?【顎関節脱臼】

1-1. 「顎がはずれる」とはどんな状態?
顎がはずれるとは、下顎骨の先端にある下顎頭が、側頭骨にある関節窩から逸脱した状態を指します。
正常な顎関節では、関節円板・靭帯・筋肉が協調して動くことで、開閉口運動がスムーズに行われます。
しかし、過度な開口や筋肉のアンバランスが生じると、下顎頭が関節結節を乗り越えて前方に移動し、そのまま戻れなくなることがあります。これが顎関節脱臼です。
1-2. 顎関節脱臼の主な症状
顎関節脱臼では、以下の症状が典型的に見られます。
-
口を閉じることができない
-
顎が前に突き出た状態になる
-
顎関節部や耳の前の痛み
-
咀嚼や会話が困難
-
唾液が口からこぼれる
-
顎が外れたという強い違和感・恐怖感
痛みの有無には個人差があり、「あまり痛くないから大丈夫」と判断するのは非常に危険です。
1-3. 顎が外れたまま放置するとどうなる?
顎関節脱臼を放置すると、以下の問題が起こる可能性があります。
-
筋肉の痙攣によって整復が困難になる
-
顎関節周囲組織の炎症や損傷
-
習慣性顎関節脱臼への移行
-
顎関節症の悪化
-
精神的ストレスや食事障害
時間が経つほど治療が難しくなるため、早期対応が極めて重要です。
2. 顎がはずれたときの正しい対処法【応急処置】
2-1. まずやってはいけないNG行動
顎が外れた際、絶対に避けるべき行動があります。
-
無理に口を閉じようと力を入れる
-
顎を上下左右に強く動かす
-
自己流で顎を押し戻す
-
ネット動画を参考に整復を試みる
これらは関節包・靭帯・神経を損傷する危険性があります。
2-2. 自分で戻してもいい?危険性と注意点
「自分で顎を戻せますか?」という質問は非常に多いですが、医学的には推奨されません。
理由は以下の通りです。
-
正しい方向と力加減が分からない
-
関節円板を傷つける恐れがある
-
再発リスクが高くなる
顎関節脱臼は、歯科医師・口腔外科医による徒手整復が最も安全です。
2-3. 痛みを和らげる応急処置のポイント
医療機関を受診するまでの間は、
-
顎をなるべく動かさない
-
前かがみにならず、楽な姿勢を保つ
-
痛みが強ければ冷却する
ことが重要です。
3. 顎がはずれたときは何科を受診すべき?
3-1. 歯科・口腔外科・整形外科の違い
顎関節脱臼は、歯科・口腔外科の専門分野です。
-
歯科・口腔外科:顎関節の構造と機能に精通
-
整形外科:四肢・脊椎中心
名古屋市天白区では、顎関節治療に対応可能なイナグマ歯科への受診が適切です。
3-2. 夜間・休日に顎が外れた場合の対応
夜間・休日の場合は、
を利用し、応急的に整復を受けましょう。
3-3. 病院に行くまでの過ごし方
-
会話を控える
-
食事をとらない
-
顎を固定する意識を持つ
これらが症状悪化を防ぎます。
4. 顎がはずれる原因とは?
4-1. 大きく口を開けたとき
最も多い原因です。
4-2. 顎関節症との関係
顎関節症により関節構造が不安定な場合、脱臼リスクが高まります。
4-3. 高齢者・若年者で起こりやすい理由
-
高齢者:筋力低下・靭帯の緩み
-
若年者:関節の柔軟性が高い
4-4. 習慣性顎関節脱臼
繰り返し起こる状態で、専門的管理が必須です。
5. 顎関節脱臼の治療方法

5-1. 徒手整復とは
医師が下顎を正しい位置に誘導し、短時間で元に戻す治療です。
5-2. 痛みはある?麻酔は必要?
多くは麻酔なしで可能ですが、必要に応じて局所麻酔を行います。
5-3. 再発を防ぐための治療と経過観察
を組み合わせて行います。
6. 顎がはずれた後の注意点と再発予防
6-1. 治った直後に気をつけること
6-2. 食事・会話・あくびの注意点
あくびの際は手で顎を支えることが有効です。
6-3. マウスピースやリハビリの役割
顎の安定化と再発防止に重要です。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 顎がはずれたら自然に戻ることはある?
A. ほとんどありません。必ず受診してください。
Q. 痛みがなくても受診すべき?
A. はい。放置は再発リスクを高めます。
Q. 何度も顎が外れる場合は?
A. 習慣性顎関節脱臼の治療が必要です。
8. まとめ|顎がはずれたときに最も大切なこと
顎がはずれたときに最も大切なのは、
**「自己判断せず、できるだけ早く専門の歯科医院を受診すること」**です。
名古屋市天白区で顎関節脱臼や顎の不調にお悩みの方は、
イナグマ歯科までご相談ください。
正確な診断と専門的治療が、顎の健康を守る第一歩です。
口腔外科・顎関節脱臼のことなら、名古屋市天白区の歯医者・歯科・口腔外科・顎関節脱臼のイナグマ歯科までご相談ください。
監修 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広
イナグマ歯科の予約 →詳細はこちら
口腔外科のページ→詳細はこちら
顎関節症のページ →詳細はこちら
歯科定期検診 →詳細はこちら
2025年12月16日 21:12