「セラミックが欠けた・割れた」と後悔する前に!3つの予防策で寿命を延ばす

名古屋 天白区の歯医者・歯科・金属アレルギー・審美歯科・セラミック治療・ジルコニア治療のイナグマ歯科です。
監修 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広
セラミック冠を長持ちさせるには?寿命を延ばすための3つの重要なポイント
「セラミックは銀歯より長持ちする」と聞いたことはありませんか?
セラミック治療は、その審美性の高さから多くの患者様に選ばれています。しかし、ただセラミックを装着しただけで、一生ものになるわけではありません。美しい見た目を長く保ち、むし歯や歯周病から歯を守るためには、適切なケアと定期的なメンテナンスが不可欠です。
この記事では、名古屋市天白区のイナグマ歯科が、セラミック冠の寿命を最大限に延ばすために患者様ご自身でできる3つの大切なポイントについて、詳しく解説します。
1. 歯ぎしり・食いしばりからセラミック冠を守る:ナイトガードの重要性
セラミック冠は、天然の歯に近い透明感と硬さを持つ優れた素材です。しかし、金属やプラスチックにはない特性として、強い衝撃や特定の方向からの圧力に弱いという側面があります。特に、就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりは、セラミック冠にとって最大の敵と言えるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりがセラミック冠に与える影響
歯ぎしりや食いしばりをする癖がある方は、想像以上の力が歯にかかっています。その力は、自分の体重の数倍から数十倍に達するとも言われています。
この強い力が、セラミック冠に以下のような悪影響を及ぼします。
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ひび割れや欠け: 硬いセラミックも、持続的かつ強い力には耐えられません。細かいひびが入ったり、一部分が欠けてしまったりすることがあります。
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割れ: 特に奥歯のセラミック冠は、噛み合わせの力が集中しやすいため、全体が割れてしまうリスクが高まります。
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土台となる歯へのダメージ: セラミック冠だけでなく、その下の健康な歯(土台)にも大きな負担がかかります。最悪の場合、土台の歯にひびが入ったり、歯周組織を傷つけたりして、歯がグラグラになってしまうこともあります。
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顎関節症の原因: 歯ぎしりや食いしばりは、顎関節に過度な負担をかけ、顎の痛みや口が開きにくくなるなどの顎関節症を引き起こすことがあります。
解決策:ナイトガード(マウスピース)の装着
これらのリスクを回避するために、当院では歯ぎしりや食いしばりの癖がある患者様に、**ナイトガード(マウスピース)**の装着を強く推奨しています。
ナイトガードは、就寝時に歯に装着することで、歯ぎしりや食いしばりの際に発生する力を均等に分散させ、歯やセラミック冠への直接的な衝撃を大幅に軽減する役割を果たします。これにより、セラミック冠の破損を防ぐだけでなく、顎関節への負担も和らげることができます。
カスタムメイド vs. 市販品:どちらを選ぶべき?
マウスピースには、大きく分けて「カスタムメイド」と「市販品」の2種類があります。
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カスタムメイドのマウスピース:
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特徴: 歯科医院で歯型を採取し、患者様一人ひとりの口腔内に合わせて作製します。
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メリット:
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フィット感が非常に高く、違和感が少ないため、快適に装着し続けられます。
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力を効率的に分散させ、最大限の保護効果を発揮します。
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作製時に噛み合わせのバランスを調整できるため、顎関節への負担をさらに軽減できます。
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デメリット: 市販品に比べて費用がかかりますが、その効果と耐久性を考えれば、非常に価値のある投資と言えます。
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市販品のマウスピース:
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特徴: ドラッグストアやスポーツ用品店で手軽に購入できます。
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メリット: 費用が安く、すぐに手に入ります。
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デメリット:
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汎用的なサイズのため、歯にぴったりフィットせず、違和感や不快感を感じやすいです。
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力が均等に分散されず、保護効果が十分でない場合があります。
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長期的に使用すると、噛み合わせに悪影響を与える可能性もあります。
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セラミック冠を長期的に守るためには、やはり歯科医院で精密に作製されるカスタムメイドのナイトガードが最も効果的です。
2. 定期的なプロフェッショナルクリーニング:歯医者でのメンテナンスの重要性
「セラミックは汚れがつきにくい」という話は本当です。表面が滑らかでツルツルしているため、プラークや着色がつきにくいのは事実です。
しかし、これは「まったく汚れない」ということではありません。特に、セラミック冠とご自身の歯の境目、歯と歯の間、そして歯ぐきとの間には、毎日のお手入れだけでは落としきれない汚れが少しずつ蓄積していきます。
これらの汚れは、時間の経過とともに歯石となり、むし歯や歯周病の原因となります。歯周病が進行すると、セラミック冠を支える土台の歯が弱り、最終的には歯が抜け落ちてしまうリスクも出てきます。
セラミック冠の美しさと寿命を保つためには、定期的に歯科医院でプロによるメンテナンスを受けることが不可欠です。
プロフェッショナルクリーニングで何をするの?
歯科医院でのメンテナンスでは、次のようなことを行います。
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専門器具によるクリーニング:
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歯科衛生士が、専門の器具を使って、歯磨きでは落とせない歯石や着色を徹底的に除去します。
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特に、セラミック冠の周囲や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の清掃は、むし歯や歯周病予防に非常に効果的です。
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むし歯・歯周病のチェック:
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歯科医師が、セラミック冠の状態や、土台の歯、周囲の歯ぐきに異常がないかをチェックします。
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早期に問題を発見することで、大きな治療になる前に対応できます。
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噛み合わせの確認・調整:
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セラミック冠装着後、時間の経過とともに噛み合わせが変化することがあります。定期的に噛み合わせをチェックし、必要に応じて微調整を行います。
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噛み合わせのバランスが悪いと、セラミック冠に余計な力がかかり、破損の原因になることがあります。
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ブラッシング指導:
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患者様一人ひとりの歯並びや磨き癖に合わせた、効果的な歯磨き方法を歯科衛生士が丁寧に指導します。
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自分では気づきにくい磨き残しの原因や、デンタルフロス・歯間ブラシの正しい使い方を学ぶことで、日々のセルフケアの質が向上します。
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メンテナンスの最適な頻度は?
患者様のお口の状態や、歯並び、生活習慣によって異なりますが、一般的には2~3ヶ月に一度のメンテナンスをおすすめしています。
歯並びが複雑で汚れが溜まりやすい方や、歯周病のリスクが高い方は、1~2ヶ月に一度の頻度で通院すると、より安心してセラミック冠を使い続けることができます。
3. 自宅でできる正しいセルフケア:毎日の積み重ねが大切
セラミック冠を長持ちさせるためには、歯科医院でのプロのメンテナンスだけでなく、ご自宅での毎日のケアも非常に重要です。
正しいセルフケア方法を実践することで、プラークの蓄積を防ぎ、セラミック冠の美しさと土台の歯の健康を維持することができます。
毎日のセルフケアで実践すべきこと
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適切な歯磨き(ブラッシング):
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歯ブラシの選び方: 歯ぐきを傷つけないよう、やわらかめ~普通の歯ブラシを選びましょう。
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磨き方のポイント: 歯と歯ぐきの境目、セラミック冠の周りは特に丁寧に磨くことが大切です。歯ブラシを小刻みに動かし、一本一本の歯を優しく磨きましょう。
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デンタルフロスや歯間ブラシの活用:
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歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくい「死角」です。
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デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシだけでは取り除けないプラークや食べカスをしっかりと除去できます。
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これを習慣化することで、歯周病やむし歯のリスクを大幅に下げることができます。
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歯磨き粉選び:
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研磨剤が多く含まれる歯磨き粉は、セラミックの表面に細かい傷をつけてしまう可能性があるため、できるだけ研磨剤の少ないものを選ぶと良いでしょう。
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食生活への配慮:
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セラミックは着色しにくいですが、コーヒーや赤ワインなどの色素が強いものを頻繁に摂取すると、天然の歯が着色し、セラミック冠との色の差が目立つようになることがあります。
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また、硬すぎるものを頻繁に噛む習慣も、セラミック冠への負担を増やします。
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まとめ:セラミック冠を一生ものにするためのケア
セラミック冠を長持ちさせ、いつまでも美しい口元を維持するためには、「治療が終わったら終わり」ではなく、その後の継続的なケアが非常に大切です。
この記事でご紹介した3つのポイントを意識して生活することで、セラミック冠の寿命を最大限に延ばすことができます。
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歯ぎしり・食いしばりから守るナイトガードの装着
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プロによる定期的なメンテナンス
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自宅での正しいセルフケア
セラミック治療は、時間と費用をかけて行う、ご自身の口元への大切な投資です。その価値を最大限に引き出し、美しい歯を維持していくために、ぜひこれらのケアを実践してください。
名古屋市天白区でセラミック治療やメンテナンスをお考えの方は、お気軽にイナグマ歯科までご相談ください。皆様の健康な歯と美しい笑顔をサポートさせていただきます。
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