歯のセラミックが割れる原因と対策|割れたときの正しい対応と予防法を解説

1. 歯のセラミックって割れるの?
1-1. 割れたときの主な症状とサイン
2. 歯のセラミックが割れる主な原因
2-1. 噛み合わせの不良
2-2. 歯ぎしりや噛みしめの影響
2-3. 硬い食べ物や外部からの衝撃
2-4. メンテナンス不足や経年劣化
2-5. 素材ごとの耐久性の違い
3. 歯のセラミックが割れた場合に考えられるリスク
3-1. 虫歯や歯周病の発生リスク
3-2. 審美性や機能性の低下
4. 歯のセラミックが割れたときの正しい対処法
4-1. 応急処置の方法
4-2. 歯科医院の受診
5. 歯のセラミックが割れた場合の治療方法と費用の目安
5-1. セラミックの歯が割れたときに行われる治療
5-2. 治療費用の目安
6. 歯のセラミックが割れるのを予防する方法
6-1. 定期的に噛み合わせのチェックを受ける
6-2. マウスピース(ナイトガード)を活用する
6-3. 歯に強い力が加わる行動は控える
6-4. 定期的にメンテナンスを受ける
7. まとめ
こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「イナグマ歯科」です。
歯のセラミック治療を受けたものの「セラミックが割れるのではないか」と不安を感じている方や、実際にヒビや欠けを見つけて心配になった経験はありませんか。
せっかく費用と時間をかけて治療したセラミックの歯が割れてしまうと、再治療や追加費用が発生するだけでなく、見た目や噛み合わせの問題にもつながる可能性があります。
この記事では、そもそも歯のセラミックが割れることはあるのか解説します。セラミック治療を検討中の方や、すでに治療を受けて不安に思われている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 歯のセラミックって割れるの?

セラミックとは、虫歯や歯の欠損部分を補うために使用される素材を指します。
セラミックは天然歯に近い見た目と高い耐久性が特徴です。セラミックには、主にオールセラミックやハイブリッドセラミック、ジルコニアなどがあり、それぞれ強度や審美性、適応部位が異なります。
治療部位や噛み合わせ、患者さんのライフスタイルによって適した素材が選ばれます。
セラミックは耐久性に優れた素材ですが、強い力が加わると割れることがあります。
1-1. 割れたときの主な症状とサイン
セラミックが割れた場合、噛んだときに違和感や軽い痛みが生じることがあります。また、鏡で見た際に表面に細かなヒビや欠けが確認できることもあります。割れた部分には食べ物が詰まりやすくなったり、冷たいものを口にしたときにしみたりすることもあるでしょう。
割れが小さい場合は自覚症状が乏しいこともあるため、定期的な歯科検診でのチェックが重要です。気になる症状がある場合は、早めに歯科医師に相談することが推奨されます。
2. 歯のセラミックが割れる主な原因

割れやひびが入ってしまう原因について具体的に解説します。
2-1. 噛み合わせの不良
噛み合わせが適切でない場合、一部の歯に過度な力が加わります。このような状態が続くと、セラミックに目に見えにくいひびや割れが生じる可能性があります。そのため、定期的に歯科医院で噛み合わせをチェックしてもらうことが重要です。
2-2. 歯ぎしりや噛みしめの影響
就寝中や無意識下で行われる歯ぎしりや噛みしめは、歯に強い圧力をかけます。この習慣がある方は、セラミックの破損リスクが高まるため、専用のマウスピースを使用するなどの予防策が推奨されます。
2-3. 硬い食べ物や外部からの衝撃
氷やナッツなどの硬い食べ物を噛む、あるいは転倒やスポーツ中の衝撃などが加わると、セラミックの歯が割れてしまうことがあります。日常生活でも十分な注意が必要です。
2-4. メンテナンス不足や経年劣化
セラミックの歯には長期間の使用やメンテナンス不足により、表面の摩耗や微細な傷が蓄積します。これが割れの原因となることもあるため、定期的な歯科受診と適切なケアが大切です。
2-5. 素材ごとの耐久性の違い
セラミックにはいくつか種類があり、素材によって耐久性が異なります。ご自身のライフスタイルや噛み合わせに合った素材選びが重要です。
3. 歯のセラミックが割れた場合に考えられるリスク

セラミックの歯が割れてしまうと、見た目の問題だけでなく、口腔内の健康にもさまざまなリスクが生じる可能性があります。ここでは、セラミックが割れた状態を放置する主なリスクについて詳しく解説します。
3-1. 虫歯や歯周病の発生リスク
割れたセラミックの隙間から細菌が入り込むと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に、セラミックの土台となる歯や周囲の歯肉が細菌にさらされやすくなり、症状が進行すると大掛かりな治療が必要になる場合もあります。
そのため、放置せずに歯科医院を受診して治療を受けることが重要なのです。
3-2. 審美性や機能性の低下
セラミックが割れると見た目の美しさが損なわれるだけでなく、噛み合わせや発音などの機能面にも影響が出ることがあります。
特に前歯の場合は審美的な問題が顕著になり、日常生活に支障をきたすことも考えられます。適切な治療により、審美性と機能性の回復が期待できます。
4. 歯のセラミックが割れたときの正しい対処法

割れてしまった場合にどのように対応すべきか、正しい対処法について詳しく解説します。
4-1. 応急処置の方法
セラミックの歯が割れた場合、まずは破片を飲み込まないよう注意し、口の中に残っている場合はそっと取り出してください。割れた部分は鋭利になっていることが多いため、舌や粘膜を傷つけないように気をつけましょう。
痛みや違和感が強い場合は触らず、早めに歯科医院を受診してください。
また、割れたセラミックの破片は治療時に必要となることがあるため、できるだけ保管しておくことが望ましいです。
4-2. 歯科医院の受診
可能であれば、すぐに歯科医院を受診しましょう。歯科医院では、まず口腔内の状態や割れたセラミックの範囲を確認し、必要に応じてレントゲン撮影などの検査が行われます。
破損状況や、土台となる歯や歯ぐきの健康状態によって、修復や再製作などが選択されます。
5. 歯のセラミックが割れた場合の治療方法と費用の目安

割れてしまった場合に行われる治療方法や費用の目安についてご紹介します。
5-1. セラミックの歯が割れたときに行われる治療
セラミックが割れた場合、まず歯科医院で口腔内の状態を確認し、割れた部分の除去や歯の土台のチェックが行われます。問題がなければ新しいセラミックの型取りを行い、再作製後に装着します。治療期間は数日から数週間程度かかることが一般的です。
セラミックのなかでも強度の高いジルコニアや、金属にセラミックを被せたメタルボンドなど、それまで使用していたものとは別の素材を検討することも可能です。
それぞれ耐久性や審美性、費用が異なるため、歯科医師と相談しながらご自身に合った素材を選ぶことが大切です。
5-2. 治療費用の目安
セラミックの作り直しにかかる費用は、1本あたり5万円から15万円程度が目安です。選択する素材や歯科医院によって費用は異なります。ご自身の希望や予算、口腔内の状態に合わせて素材を選択することが大切です。
6. 歯のセラミックが割れるのを予防する方法

割れるのを防ぐためには、日常的なケアや専門的なサポートが重要です。ここでは、具体的な予防策について解説します。
6-1. 定期的に噛み合わせのチェックを受ける
セラミックの歯は、天然歯と比べて強度が高い一方で、過度な力が加わると割れるリスクがあります。
特に、噛み合わせが合っていないと、一部の歯に負担が集中しやすくなるため、歯科医院で定期的にチェックを受けることが大切です。早期に調整することで、歯への過剰な力を避けることができます。
6-2. マウスピース(ナイトガード)を活用する
就寝中の歯ぎしりや噛みしめは、無意識のうちにセラミックに強い力をかけてしまうことがあります。歯科医院で作製されるマウスピース(ナイトガード)を装着することで、セラミックへの衝撃を緩和し、割れるリスクを軽減できます。
6-3. 歯に強い力が加わる行動は控える
セラミックの歯で硬い食べ物を噛む、爪を噛むなどの習慣は、割れや欠けの原因となります。日常生活では、これらの行動を控えるようにしましょう。また、スポーツ時にはマウスガードを着用すると安心です。
6-4. 定期的にメンテナンスを受ける
セラミック治療後も、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、早期にトラブルを発見しやすくなります。専門家によるクリーニングやチェックを継続することも、セラミックの歯を長持ちさせるためのポイントとなります。
7. まとめ

歯のセラミックは見た目が美しく丈夫ですが、強い力が加わることや噛み合わせの不具合、経年劣化などで割れることがあります。
割れた場合でも適切に対処することで歯への影響を軽減できます。歯のセラミックが割れたり欠けたりした場合は、放置せず早めに歯科医院で相談しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「イナグマ歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、審美歯科治療、セラミック治療に特に注力しながら、虫歯・歯周病治療、顎関節症治療、口腔がん検診など、さまざまな診療を行っています。
ホームページはこちら、ネット予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
岡山大学 歯学博士
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医
稲熊尚広