金属アレルギーとセラミック治療!治療を受けるときの注意点も解説!
目次
1. 金属アレルギーでもセラミック治療は受けられる?
2. 金属アレルギーの症状
2-1. 口腔内に現れる症状
2-2. 皮膚や全身に現れる症状
3. 金属アレルギーの方でも使用可能なセラミック
3-1. オールセラミック
3-2. ジルコニアセラミック
3-3. ハイブリッドセラミック
3-4. e-max
4. 金属アレルギーの方がセラミック治療を受けるときは
4-1. 治療前に金属アレルギーがあることを伝える
4-2. 皮膚科で診断してもらう
4-3. 信頼できる医師を選ぶ
5. まとめ
こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「イナグマ歯科」です。
虫歯治療の際につくる銀歯などの詰め物は、安い費用で治療できるメリットがありますが、金属アレルギーの方は注意が必要です。近年ではセラミック治療が注目されていますが「金属アレルギーでも大丈夫?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
セラミックは金属アレルギーの方でも安心して使用できる素材ですが、いくつか種類があり一部の素材には注意が必要です。
この記事では、金属アレルギーの方でもセラミック治療は受けられるのか解説し、具体的なアレルギーの症状や使用可能なセラミックの種類、治療における注意点などをご紹介します。金属アレルギーでお悩みの方やセラミック治療を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
1. 金属アレルギーでもセラミック治療は受けられる?
セラミックは陶材の一種なので、ほとんどの種類は金属アレルギーの方でも治療可能です。
しかし、メタルボンドは金属アレルギーの方が避けるべき種類です。主に使用されるセラミック素材は5種類ほどで、それぞれ特徴が異なります。
メタルボンド以外の4種類は金属を含まない素材でつくられているため、金属アレルギーの心配がありません。メタルボンドは金属にセラミックを焼き付けて作る素材のため、金属アレルギーの方は使用できません。
セラミック治療は金属アレルギーの方でも安心して受けられますが、金属を用いた種類があることを理解しておきましょう。セラミックの治療前には担当医師に金属アレルギーの有無を伝えておくと、双方が安心して治療を進められます。
2. 金属アレルギーの症状
金属アレルギーとは、金属が肌に触れて汗や皮脂に反応して微量の金属イオンが溶出し、皮膚に浸透することで体内の免疫システムが異物と認識してアレルギー反応が出る症状です。指輪やネックレスなどで金属アレルギーを発症する方が多いですが、歯科金属によるアレルギーも問題視されています。
ここでは、口腔内に出る症状と、皮膚や全身に出る症状の2つに分けて、金属アレルギーの症状を紹介します。
2-1. 口腔内に現れる症状
金属アレルギーによって口腔内に現れる症状は、以下のとおりです。・口内炎・舌炎
・味覚障害
・赤み
・腫れ
・舌の痛み
上記のような症状は、金属が触れてから数時間〜数日後に現れる場合が多いです。また、症状が重くなると口腔内だけでなく全身に症状が現れる可能性があるため、注意しましょう。
2-2. 皮膚や全身に現れる症状
金属アレルギーを発症した場合、全身に現れやすい症状は以下のとおりです。・水疱
・湿疹
・掌蹠膿疱症
・頭痛
・めまい
・肩こり
歯科金属による金属アレルギーの症状が口内以外の場所に現れた場合は、原因の特定が遅れる傾向があります。口内に目立った症状がなく、原因となる金属が症状が現れている部分に触れていないため、患者さま自身も歯科金属が原因だとは考えないのです。
また、金属アレルギーには、遅れて症状が出る遅延型と、すぐに症状が現れる即効型があります。治療後は無症状でも、数年後に症状が現れる可能性があることを留意しておきましょう。
3. 金属アレルギーの方でも使用可能なセラミック
金属アレルギーの方でも使用可能なセラミックは、主に以下の4つです。
それぞれの特徴を紹介します。
・オールセラミック
・ジルコニアセラミック
・ハイブリッドセラミック
・e-max
3-1. オールセラミック
オールセラミックは、名前のとおり全てセラミックでつくられている詰め物や被せ物です。金属を一切使用していないため金属アレルギーのリスクがなく、見た目が美しい点が大きな特徴です。
長期間にわたって白く美しい状態を保てるため、特に前歯など目立つ部分の治療に使用されることが多いです。割れやすいというデメリットがある点も留意しておきましょう。3-2. ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアを使用したセラミックです。強度が高く、金属に匹敵する硬さや耐久性を持っている素材のため、強い力がかかる奥歯への使用も可能です。セラミック特有の割れやすさを克服しており、長期間の使用でも破損しにくい素材です。
3-3. ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを組み合わせた素材です。セラミックの美しさやレジンの柔軟性を兼ね備えているため、幅広い部分に使用可能です。オールセラミックに比べるとやや透明感や美しさは劣ることがありますが、安く治療ができるため費用対効果に優れています。
コストパフォーマンスを考えると素晴らしい素材ですが、オールセラミックやジルコニアと比べると耐久性が劣ります。摩耗や変色のリスクがある点は理解しておきましょう。
3-4. e-max
e-maxは、ニケイ酸リチウムガラスを主成分とするセラミックです。審美性と強度を兼ね備えた素材のため、前歯から奥歯までさまざまな部位で使用可能です。特に、前歯などの審美性が重要な部分の治療に人気があります。金属は使用されていないため、金属アレルギーの方も安心して使用できます。
4. 金属アレルギーの方がセラミック治療を受けるときは
口内の違和感や痒みなどの軽度な症状しか現れない場合もありますが、まれに、血圧の低下や息苦しさなどを招き、全身症状の悪化につながるケースもあります。そのため、金属アレルギーの方がセラミックを受ける際には、以下のような点に注意する必要があります。
・治療前に金属アレルギーがあることを伝える
・皮膚科で診断してもらう
・信頼できる医師を選ぶ
セラミック治療での金属アレルギーリスクを減らせるように、注意点をしっかり把握しましょう。
4-1. 治療前に金属アレルギーがあることを伝える
セラミックの治療を検討中の方は、治療前に金属アレルギーがあることをきちんと伝えましょう。事前にアレルギーの有無を伝えることで、リスクを軽減できるだけでなく患者様似合う素材や治療法などを提案してもらえる可能性が高まります。また、アレルギーを持っている金属の種類が分かっている場合は、詳細に話すとスムーズに治療を進められるでしょう。金属アレルギーの症状が出るリスクを軽減するためにも、担当医師に事前に伝えることが大切です。
4-2. 皮膚科で診断してもらう
「セラミック治療を受けたいけど自身に金属アレルギーがあるのか分からない」という方は、セラミックの治療前に皮膚科で診断してもらっても良いでしょう。皮膚科ではパッチテストを行い、どのような金属にアレルギーを持っているのかを数値で判断できます。金属成分を染み込ませた専用のパッチを皮膚に貼り付け、数日放置するだけで簡単に判定できます。痛みなども伴いませんので、アレルギー症状が心配な方は一度皮膚科で診断をしてもらうと良いでしょう。
4-3. 信頼できる医師を選ぶ
信頼できる医師を選ぶことも非常に大切です。担当医師に金属アレルギーに対する知識がなければ、適切な素材や治療法を判断できない可能性があります。事前にクリニックのホームページなどを見て、考え方や治療方針などを知っておくことも大切です。信頼できる医師のもとで、安心してセラミック治療ができるようにしましょう。
5. まとめ
この記事では、金属アレルギーがある方のセラミック治療について、具体的なアレルギー症状や使用できるセラミックの種類、治療を受ける際の注意点などを解説しました。
基本的に金属アレルギーの方でもセラミック治療は受けられますが、種類選びは非常に重要です。上述したように、セラミックの中でもメタルボンドは金属アレルギーの方は避けるべき素材なので注意しましょう。
セラミックといっても素材ごとに特徴が異なるため、それぞれのメリットやデメリットをきちんと理解してから選んでください。信頼できる歯科医師と相談しながら、セラミック治療を受けましょう。
セラミック治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「イナグマ歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、審美歯科治療、セラミック治療に特に注力しながら、虫歯・歯周病治療、顎関節症治療、口腔がん検診など、さまざまな診療を行っています。
ホームページはこちら、ネット予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
岡山大学 歯学博士
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医
稲熊尚広
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医
稲熊尚広
2024年09月28日 12:00