舌のしこりが口腔がんだった?見逃しがちな初期症状3つと60代男性の診断例|名古屋市天白区・歯科口腔外科症例解説

名古屋市天白区の歯医者・歯科・口腔がん診断・白板症診断のイナグマ歯科です。院長 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広
【症例解説】舌のしこりは口腔がんの初期症状?60代男性の口腔扁平上皮癌を受診で発見|名古屋市天白区イナグマ歯科
60代男性「舌にしこりがある」症例
口腔がん・・扁平上皮癌(扁平上皮癌=口腔がんの代表的なタイプ)

ご相談内容
「『舌の側縁にしこりがある』とご相談いただいた60代の男性患者様です。1か月前に他院(耳鼻咽喉科)で診察を受けましたが、耳鼻咽喉科では、悪いものでないといわれたが、口腔がんが心配で、当院の専門的な診断力を信頼してご来院されました。」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果
拝見すると、舌に白いできものが張りついていました。
行ったご提案・治療内容
まずはじめに、視診、触診にて、白いものが悪性の可能性が高いことを確認しました。
そのため、病理検査を依頼し、口腔がんである扁平上皮癌であることが判明いたしました。
そこで、入院にて詳しい検査依頼、手術依頼と術後に発音障害はある可能性があるために、発音のリハビリ依頼をいたしました。また、本人には、口腔がんであることのの告知をいたしました。入院にて口腔がん切除予定。
この治療のリスクについて
・病状、症状、患者様のお口の環境によって、複数回にわたる施術が必要となる場合があります
・治療が終わった後も、十分なセルフケアが必要です
・術後、機能障害、発音障害が生じる可能性があります
- 年齢・性別 60代男性
- 診療種別 保険診療
- 治療期間の目安 9か月
- 治療回数の目安 入院・来院30回
- 治療費総額の目安 300,000円(※入院費用、手術費用、リハビリ費用などを含む)」
👤 舌のしこりを訴えた60代男性|口腔がん症例と受診のきっかけ
🗣 患者様のご相談内容と経緯
「舌の側縁にしこりがある」と感じたのは1か月前。市販薬を試しても改善せず、「口内炎とは違う気がする」と不安が募って耳鼻咽喉科を受診されたそうです。
しかし診断では「悪性の可能性は低い」と言われたため様子を見ていたものの、しこりが消える気配はなく、逆に違和感が増してきたため「口腔がん専門で診てくれる」と評判のイナグマ歯科へ来院されました。
👂 耳鼻科での診断結果と不安の残り方
耳鼻咽喉科での所見では、「表面に異常はなさそう」と言われ、積極的な検査は行われませんでした。
ただ、患者様自身が「口腔がんの初期は痛みがないと聞いた」「鏡で見ると白っぽく見える」とご自身でも調べていたため、どうしても不安が消えず、改めて口腔外科領域での精査を希望されたとのことです。
🔍 イナグマ歯科での初診時所見(視診・触診)
初診時、舌の側縁には白っぽい硬結した病変があり、粘膜との境目が不明瞭でした。
視診だけでなく、触診でも「硬く、可動性がない」ことが確認され、口腔がん(扁平上皮癌)の初期所見として疑わしい特徴が多く認められました。
当院では病理検査(生検)を早急に実施し、診断確定までの流れをご説明。患者様にも「耳鼻科と歯科口腔外科では診る視点が違う」と納得していただけました。
🩺 口腔がん(扁平上皮癌)の診断と治療の流れ
🧪 病理検査と診断確定までのステップ
舌の側縁に白く硬いできものが確認されたため、視診・触診だけでなく、病理組織検査(生検)を行いました。
局所麻酔を使用して病変部の組織を一部採取し、病理専門機関で精密検査を実施。数日後に「口腔扁平上皮癌」と確定診断されました。
このタイプは口腔がんの中でも最も多く、進行速度や分化度によって治療方針が分かれるため、早期診断が極めて重要です。
📋 患者様への告知と治療方針の決定
診断結果をふまえ、患者様には「口腔がんの疑いが確定したこと」「進行度は初期〜中期段階とみられること」を丁寧に説明。
不安が強まるタイミングでもあるため、治療方法の選択肢や術後の見通しについてもわかりやすくお話しました。
治療方針としては、以下を含めた包括的な流れをご提案:
- 病院口腔外科での切除手術
- 発音機能維持のための術前〜術後リハビリ
- 定期的な再発・転移チェックのスケジュール
🏥 入院・手術・術後リハビリの概要
提携病院にて入院し、腫瘍部の切除術を実施予定。腫瘍の大きさや部位によっては、口腔内の粘膜や筋肉も一部除去する必要があるため、術後に発音や嚥下機能に影響が出ることがあります。
術後は以下のリハビリ支援を想定:
- 発音の明瞭性を保つための音声指導(言語聴覚士との連携)
- 食事摂取に必要な口腔運動訓練
- 心理的サポートと定期フォローアップ
患者様には「完治だけでなく、生活の質(QOL)を守る」ことを大切にした治療設計で進めることをお伝えしています。
⚠️ 予想されるリスクと機能障害について
口腔がん治療には、術後の合併症や後遺症が生じる可能性があります。特に以下の点が注意ポイントです:
- ✅ 発音障害(舌の切除部位により、サ行・タ行などが発音しづらくなる可能性)
- ✅ 嚥下障害(食事中のむせ・飲み込みにくさ)
- ✅ 感覚障害(舌先の痺れ・麻痺)
- ✅ 外観の変化(切除部位による口元の左右差)
これらの予測される症状についても、術前カウンセリング時に十分にご説明し、患者様の理解と納得を得ながら治療に臨んでいただく方針を取っています。
🧠 口腔扁平上皮癌とは?|知っておきたい特徴と初期症状
👄 好発部位・年齢・性別傾向
口腔扁平上皮癌は、口腔内がんの約90〜95%を占める最も一般的ながんで、以下の部位で発症することが多く見られます。
- 舌の側縁(最も多い)
- 歯ぐき
- 頬粘膜
- 口底
- 硬口蓋・口唇
好発年齢は50歳以上に多く、特に男性は女性の約2倍の罹患率があると報告されています。
喫煙・飲酒・慢性的な粘膜刺激(合わない入れ歯や歯の尖り)などがリスク因子となり、積み重なることでがん細胞が形成されると考えられています。
🔎 初期症状に気づくためのチェックポイント
口腔扁平上皮癌は、初期症状が非常にわかりにくいことが特徴です。痛みが少ないまま進行するケースが多く、口内炎と見分けがつきづらいため注意が必要です。
症状例としては:
- 2週間以上治らない口内炎のような白斑(白板症)・紅斑(紅板症)
- 舌や歯ぐきにできる硬いしこり、ただれ、出血
- 話しづらさや飲み込みにくさ
- 口臭の変化や唾液の性状変化
🔍 鏡で口の中を定期的に観察し、「左右差」「変色」「盛り上がり」などに気づける習慣を持つことが早期発見の鍵となります。
⚠️ 放置リスクと早期発見の重要性
口腔扁平上皮癌は、粘膜表層から発生し、進行すると骨・筋肉・神経を浸潤しながら深部へ広がる特性を持ちます。
特に舌の側縁など血管やリンパ管が多い場所では、早期のリンパ節転移リスクが高く、予後にも影響を及ぼします。
- 早期発見での5年生存率は 75%以上
- リンパ節転移があると生存率は約半分に低下
だからこそ、「口内炎だと思って放置した」ケースが進行がんへと繋がるリスクを抑えるためにも、視診・触診・検査を受けることが推奨されます。
名古屋市天白区で口腔がんを専門的に診断できる歯科医院として、イナグマ歯科では、視診・病理検査・治療連携まで一貫して対応可能です。
🚨 口腔がんを見逃さないための3つのポイント
① 2週間以上治らない口内炎は要注意
口腔がんの初期は、痛みの少ない白斑(白板症)や紅斑(紅板症)が現れます。
見た目は口内炎に似ているため、「薬で治るだろう」と放置されがちですが、2週間以上改善しない場合は病変の可能性があります。特に、色の境目が不明瞭だったり、盛り上がったり硬く触れる場合は、専門的検査が推奨されます。
② 舌・歯ぐきのしこりやただれのチェック
鏡で舌の側面や歯ぐき、頬粘膜を見たときに、硬いしこり・粘膜のただれ・出血を伴うような変化がある場合は注意が必要です。
口腔がんは、粘膜下で進行するため、表面の変化が少ないまま進行するケースもあります。歯磨き時や食事中に違和感を感じたら、セルフチェック+歯科受診が早期発見に繋がります。
③ 飲みにくさ・話しづらさ・口臭の変化を見逃さない
がんが深部に広がると、嚥下障害や発音の違和感、口臭の変化といった機能症状が現れます。
「食べ物が喉に引っかかる」「サ行やタ行が発音しづらい」「口臭が急に気になるようになった」などは、口腔内の異常が原因となっていることがあります。
これらの自覚症状も、病変の進行を知らせる重要なサインです。
🏥 名古屋市天白区で口腔がん検診なら|イナグマ歯科へ
🧑⚕️ 口腔外科に対応した専門診療体制
イナグマ歯科では、口腔がんを専門的に診断できる歯科医院として、厚生労働省認定の臨床研修指導医による診療体制を整えています。
視診・触診に加えて、病変の進行度を見極める病理組織検査(生検)や提携医療機関への入院・手術連携も可能です。
舌・歯ぐき・口内の「異変を感じるけど不安で迷っている方」に、安心できる一歩を提供します。
🔍 歯科医院でできる口腔がんの視診と検査
歯科医院では、以下のような検査を通じて早期診断が可能です:
- ✅ 視診:口腔粘膜や舌の異常を直接確認
- ✅ 触診:硬さ・可動性・深達度などを判断
- ✅ う蝕検知液や蛍光装置による補助診断
- ✅ 生検の実施と病理機関への提出
口腔外科に熟練した歯科医師が対応することで、耳鼻科では見逃されやすい口腔粘膜のがん変化も見つかる可能性があります。
⏱ 早期発見のメリットと受診タイミング
口腔がんは、自分で鏡で見つけられるがんでもあります。
しかし「痛みがない」ことが初期の特徴でもあり、放置されるケースも多くあります。早期発見によって:
- 手術範囲が最小限に
- 発音や嚥下など機能障害リスクの軽減
- 5年生存率の上昇(早期発見なら75%以上)
🔔「2週間以上治らない口内炎」「舌の違和感」「硬いしこり」などがある方は、迷わず検診を受けることをおすすめします。
📍舌や口腔粘膜の異常は、鏡でセルフチェックできるがんです。定期的な視診+専門医による検査によって、重症化を防ぐことが可能です。
名古屋市天白区で口腔がんの検診・診断をご希望の方は、専門対応可能なイナグマ歯科へご相談ください。
口腔扁平上皮癌は自分で鏡でチェックできるがんでもあります。早期発見が鍵です。名古屋市天白区で口腔がんの検診・治療をお考えなら、専門的な診療体制を整えたイナグマ歯科のような歯科口腔外科への相談がおすすめです。
口腔外科・口腔癌のことなら、名古屋市天白区の歯医者・歯科・口腔外科・口腔癌診断のイナグマ歯科までご相談ください。
監修 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広
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