口腔がん よくある質問15|症状・原因・検査・予防を歯科医師が詳しく解説
「口内炎がなかなか治らないけれど、口腔がんではないだろうか?」
「舌に白い部分や赤い部分があるけれど大丈夫?」
「口腔がんはどのように発見するの?」
このように、口の中の変化について不安を感じている方は少なくありません。
**口腔がん(こうくうがん)**とは、口の中に発生する悪性腫瘍の総称です。舌にできる「舌がん」をはじめ、歯ぐき、頬の内側、口の底、上あご、唇など、さまざまな場所に発生します。
口腔がんは、口の中を直接見ることができるため、身体の奥にできるがんと比較して、異常を早期に発見できる可能性があります。一方で、初期には痛みなどの自覚症状が乏しい場合もあり、「口内炎だと思っていた」「傷だと思って放置していた」というケースもあります。
国立がん研究センターによると、口腔がんでは、口の粘膜が赤くなる・白くなる、形が変化する、しこりができる、口内炎が治りにくいなどの症状がみられることがあります。
ここでは、**名古屋市天白区のイナグマ歯科 院長・稲熊尚広(岡山大学 歯学博士/厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医)**が、口腔がんについて患者さんからよくいただく質問を15項目に分けて解説します。
※このページは口腔がんに関する一般的な医学情報を提供するものです。口の中に気になる症状がある場合、自己判断せず、歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などの医療機関へご相談ください。
Q1.口腔がんとはどのようながんですか?
口腔がんとは、口の中に発生する悪性腫瘍です。
口腔には、
-
舌
-
歯ぐき
-
頬の内側の粘膜
-
舌の下の口腔底
-
上あご
-
唇
などがあります。
口腔がんには、舌に発生する「舌がん」、歯ぐきに発生する「歯肉がん」、頬の内側に発生する「頬粘膜がん」などがあります。
口腔がんの多くは、口の粘膜を構成する扁平上皮から発生する扁平上皮がんです。
「口腔がん」という言葉を聞くと、非常に珍しい病気という印象を持つ方もいますが、口の中にもがんが発生することを知っておくことが重要です。
特に、治りにくい口内炎、口の中の白い・赤い変化、しこり、出血などが続いている場合は、早めに医療機関で確認することをおすすめします。
Q2.口腔がんの初期症状にはどのようなものがありますか?
口腔がんの初期には、必ずしも強い痛みがあるとは限りません。
代表的な変化として、
-
口内炎がなかなか治らない
-
舌や歯ぐきなどに白い部分がある
-
赤い部分がある
-
粘膜がただれている
-
口の中に硬いしこりがある
-
粘膜が盛り上がっている
-
出血しやすい
-
舌を動かしにくい
-
入れ歯が急に合わなくなった
-
口の中に違和感が続く
などがあります。
国立がん研究センターでも、口腔がんの症状として、粘膜の赤色・白色への変化、形の変化、しこり、治りにくい口内炎などが挙げられています。
ただし、これらの症状があれば必ず口腔がんというわけではありません。
口内炎や傷、感染症など、がん以外の原因でも同様の症状が起こります。
重要なのは、**「いつもと違う変化が長く続いているか」**という点です。
Q3.口内炎が2週間以上治らない場合、口腔がんの可能性がありますか?
長期間治らない口内炎は、一度医療機関で確認することをおすすめします。
一般的な口内炎は、時間とともに改善していくことが多い一方、口腔がんでも「口内炎のような症状」が現れることがあります。
特に、
-
2週間程度たっても改善しない
-
何度も同じ場所にできる
-
どんどん大きくなる
-
硬いしこりを伴う
-
出血する
-
周囲が硬くなっている
-
強い違和感が続く
といった場合には注意が必要です。
国立がん研究センターも、治りにくい口内炎は口腔がんの症状の一つとして挙げています。
もちろん、「2週間治らなければ口腔がん」と決まっているわけではありません。
しかし、自己判断で市販薬を使い続けたり、様子を見続けたりするよりも、歯科・歯科口腔外科などで原因を確認することが大切です。
Q4.舌に白い部分があります。舌がんでしょうか?
舌が白くなっているからといって、すぐに舌がんとは限りません。
舌の白色変化には、
-
舌苔
-
口腔カンジダ症
-
慢性的な刺激
-
白板症
-
その他の粘膜疾患
など、さまざまな原因があります。
一方で、口腔がんやその前段階の病変でも、白色の変化がみられることがあります。
特に、こすっても取れない白い病変が長く続いている場合には、専門的な診察を受けることが大切です。
口腔がんの前がん病変の一つとして「口腔白板症」が知られています。国立がん研究センターでは、舌、歯肉、頬粘膜などに白斑状の病変としてみられることがあり、一部が将来的にがん化する可能性があるとしています。
Q5.口の中が赤くなっています。口腔がんの可能性はありますか?
口の中の赤い変化も、原因を確認することが大切です。
口腔粘膜が赤くなる原因には、炎症、傷、感染などさまざまなものがあります。
一方、口腔がんでは、粘膜が赤く変化することがあります。
特に、
-
原因が思い当たらない
-
赤い部分が長期間続く
-
表面がなめらかではない
-
白い部分と赤い部分が混在している
-
出血やしこりを伴う
といった場合には、一度診察を受けることをおすすめします。
見た目だけで良性・悪性を確実に判断することはできません。
必要に応じて専門的な検査を行い、原因を確認することが重要です。
Q6.口腔がんになりやすい人はいますか?
口腔がんのリスクを高める要因として、代表的なものに喫煙と飲酒があります。
国立がん研究センターによると、喫煙は口腔がんの重要な危険因子であり、飲酒もリスクに関係しています。また、喫煙と飲酒が重なることでリスクがさらに高くなることがあります。
その他にも、
-
口腔内の慢性的な刺激
-
口腔内の不衛生
-
合わない入れ歯などによる刺激
-
虫歯などによる慢性的な問題
などが関連する場合があります。
ただし、タバコを吸わない人、飲酒をしない人でも口腔がんになる可能性はあります。
「自分はタバコを吸わないから大丈夫」と決めつけず、口の中の異常が続く場合には確認することが大切です。
Q7.タバコを吸わなければ口腔がんにはなりませんか?
いいえ。喫煙しない人でも口腔がんになる可能性はあります。
喫煙は口腔がんの重要な危険因子ですが、口腔がんの原因は一つではありません。
そのため、
「タバコを吸わないから口腔がんにはならない」
という考え方は適切ではありません。
日頃から鏡を使って口の中を確認し、
-
舌の色や形
-
舌の裏側
-
歯ぐき
-
頬の内側
-
上あご
-
口腔底
などに変化がないか確認しておくことも大切です。
口腔がんは、自分自身で口の中を観察できるという特徴があります。気になる変化があれば、早めに歯科などへ相談しましょう。
Q8.口腔がんは自分で見つけることができますか?
口腔がんは、日頃のセルフチェックによって異常に気づける可能性があります。
鏡を使って、次のような変化がないか確認してみましょう。
口腔がんセルフチェック
-
口内炎が長期間治らない
-
白い部分がある
-
赤い部分がある
-
粘膜がただれている
-
硬いしこりがある
-
出血しやすい
-
舌が動かしにくい
-
口が開けにくくなった
-
飲み込みにくい
-
あごの下や首にしこりがある
-
入れ歯が急に合わなくなった
ただし、セルフチェックだけで口腔がんの有無を判断することはできません。
「いつもと違う状態が続いている」という場合には、歯科医師などによる診察を受けることが重要です。
Q9.口腔がんの検査では何をしますか?
口腔がんが疑われる場合、まず口の中を直接確認する視診・触診が行われます。
必要に応じて、
-
視診
-
触診
-
リンパ節の確認
-
細胞診
-
組織検査(病理検査)
-
X線検査
-
CT
-
MRI
-
超音波検査
-
PET-CT
などが検討されます。
国立がん研究センターによると、口腔がんの確定診断には病変の組織を採取して顕微鏡で調べる病理検査が重要で、病変の広がりやリンパ節・遠隔転移などを確認するために画像検査が行われます。
歯科医院で口の中の異常が見つかった場合には、必要に応じて専門医療機関へ紹介し、より詳しい検査につなげることがあります。
Q10.口腔がんの検査は痛いですか?
検査の種類によって異なります。
口の中を見る視診や触診そのものは、基本的に大きな負担のある検査ではありません。
一方、確定診断のために組織の一部を採取する**病理検査(生検)**が必要になる場合があります。
病変の場所や大きさなどによって検査方法が異なるため、「口腔がんかもしれない」と心配な場合でも、まずは診察を受けることが大切です。
「検査が怖いから受診しない」というより、まず現在の状態を確認してもらうことをおすすめします。
Q11.口腔がんは何科を受診すればいいですか?
口の中に気になる症状がある場合は、まず歯科、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科などに相談することができます。
特に、
-
舌のしこり
-
治らない口内炎
-
口の中の白斑・赤斑
-
歯ぐきの腫れ
-
原因不明の出血
-
口が開けにくい
-
飲み込みにくい
-
あごの下や首のしこり
などが続いている場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
診察の結果、さらに詳しい検査や治療が必要と判断された場合には、専門の医療機関へ紹介されることがあります。
Q12.口腔がんは治りますか?
口腔がんの治療は、がんの種類、発生部位、大きさ、進行度、リンパ節への転移などによって異なります。
口腔がんでは、手術が中心となることが多く、病状によって放射線治療や薬物療法などを組み合わせることがあります。
早期に発見できれば、病変が小さい段階で治療できる可能性があります。
また、口腔がんの治療では、単にがんを治療するだけでなく、
-
食べる
-
飲み込む
-
話す
-
舌を動かす
といった口腔機能をできるだけ維持することも重要です。
そのため、治療後には必要に応じてリハビリテーションが行われることがあります。
Q13.口腔がんは予防できますか?
口腔がんを100%予防する方法はありません。
しかし、リスクを下げるためにできることはあります。
口腔がん予防のために心がけたいこと
-
禁煙する
-
飲酒量を控える
-
口腔内を清潔に保つ
-
虫歯や歯周病を放置しない
-
合わない入れ歯をそのまま使用しない
-
口の中の傷や異常を長期間放置しない
-
定期的に歯科医院で口腔内を確認する
-
自分でも口の中をチェックする
特に喫煙と飲酒は口腔がんの重要なリスク因子です。禁煙・節酒は口腔がんだけでなく、さまざまな病気の予防という意味でも重要です。
Q14.口腔がん検診は受けたほうがいいですか?
口の中に異常がないか、定期的に歯科医院で確認してもらうことは大切です。
一方で、「口腔がん検診」という名称の検診がすべての人に対して国の指針で一律に推奨されているわけではありません。
例えば、国立がん研究センターは、現在、舌がんについて国の指針として定められたがん検診はないと説明しています。症状がある場合は検診を待たず、医療機関を受診することがすすめられています。
ここで大切なのは、
「検診を受けているから、症状があっても次の検診まで待てばいい」わけではない
ということです。
口内炎が治らない、しこりがある、白い・赤い病変が続くなど、気になる症状がある場合は、早めに歯科・歯科口腔外科などを受診しましょう。
Q15.口の中に気になる症状があります。どのくらい様子を見ればいいですか?
気になる症状が続いている場合は、長期間様子を見ずに医療機関へ相談することをおすすめします。
特に、
-
2週間程度たっても治らない口内炎
-
舌や歯ぐきのしこり
-
消えない白い部分
-
消えない赤い部分
-
原因不明の出血
-
舌の動かしにくさ
-
口の開けにくさ
-
飲み込みにくさ
-
あごの下や首のしこり
-
入れ歯が急に合わなくなった
などがある場合には、自己判断で放置しないことが大切です。
国立がん研究センターも、口腔内の異常が続く場合には、歯科医師や耳鼻咽喉科などへの相談をすすめています。
「口腔がんだったら怖い」と思って受診をためらう方もいらっしゃいます。
しかし、気になる症状があるからといって、必ず口腔がんとは限りません。
口内炎や炎症など、がん以外の原因によることも多くあります。
だからこそ、早めに診察を受けて原因を確認することが大切です。
口腔がんの早期発見のために、定期的な口腔チェックを
口腔がんは、舌や歯ぐき、頬の内側など、比較的自分で確認しやすい場所に発生します。
一方で、初期には痛みが少なく、口内炎や傷などと区別しにくいこともあります。
だからこそ、
「痛くないから大丈夫」
と考えず、口の中にいつもと違う変化があれば確認することが重要です。
特に、
「治らない」
「硬い」
「大きくなっている」
「白い・赤い変化が続く」
「出血する」
という変化には注意しましょう。
名古屋市天白区で口腔内の気になる症状がある方へ
では、一般歯科診療だけでなく、口腔内のさまざまな異常について診察を行っています。
口内炎が長引いている、舌や歯ぐきにしこりがある、口の中に白い・赤い部分があるなど、気になる症状がございましたら、まずはご相談ください。
必要に応じて、より専門的な検査・診療が必要かどうかを判断し、適切な医療機関への紹介につなげます。
院長紹介
イナグマ歯科 院長
稲熊 尚広
-
岡山大学 歯学博士
-
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医
口腔内の健康は、食事や会話など、日常生活の質にも深く関係しています。
口腔がんについて少しでも気になることがある方は、「もう少し様子を見よう」と長期間放置せず、お気軽にご相談ください。
口腔がんについてのまとめ
口腔がんは、舌、歯ぐき、頬の内側、口腔底、上あご、唇などに発生する悪性腫瘍です。
特に覚えておきたいポイントは次の5つです。
-
治りにくい口内炎には注意する
-
口の中の白い・赤い変化を放置しない
-
しこりや出血が続く場合は受診する
-
喫煙・過度の飲酒などのリスク因子を見直す
-
気になる症状がある場合は、検診を待たず医療機関へ相談する
口腔がんは、早期に異常に気づくことが重要です。
「口内炎かな?」と思っていても、なかなか治らない場合や、いつもと違う変化がある場合には、一度歯科医師に相談しましょう。
イナグマ歯科の口腔外科診療
名古屋市天白区のイナグマ歯科では、親知らず、歯ぐきの腫れ、口の中のできもの、顎の痛みなど、お口に関するさまざまな症状について診察しています。
「この症状は歯医者で診てもらえるのかな?」
「親知らずを抜いたほうがいいのかわからない」
「口の中のできものが気になる」
このような場合も、まずはお気軽にご相談ください。
症状を確認したうえで、必要な検査や治療についてご説明します。
院長
稲熊 尚広
岡山大学 歯学博士
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医
医院情報
イナグマ歯科
〒468-0056
愛知県名古屋市天白区島田1丁目1114番地
電話:052-806-1181
口腔外科に関する症状は、原因によって必要な治療が異なります。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院へご相談ください。
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監修 岡山大学 歯学博士 厚生労働省認定 歯科医師臨床研修医指導医 稲熊尚広 -